出典:日本経済新聞
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「トランプショック」で一時2900円超の歴史的暴落
2025年4月7日、日本の株式市場は「トランプショック」とも呼ばれる歴史的な下落に見舞われました。
日経平均株価は一時2900円以上急落し、終値は前週末比2644円00銭(7.83%)安の3万1136円58銭を記録。これは過去3番目の下落幅となる大暴落です。
年初に4万円台まで上昇していた日経平均株価ですが、わずか3か月でその価値の約4分の1を失う事態となりました。
特に今回の下落は一部の投資家からは「リーマンショック級」との声も上がる深刻なものです。
トランプ関税とは何か?世界経済を揺るがす政策
今回の株価暴落の主な原因は、トランプ米大統領が打ち出した「相互関税」政策です。
就任以来、トランプ大統領は「中国からの輸入品に20%」「他の国々からの輸入品に10%」という高額な関税を課す政策を発表しました。
特に先週、この関税政策に対して中国が報復関税を発表したことで、米中間の「貿易戦争」エスカレートの懸念が一気に高まり、世界的な株安を引き起こしています。
日本経済への深刻な影響
日本市場は特に大きな打撃を受けています。その理由は主に以下の3点です:
- 景気敏感株の多さ: 日本株は景気に敏感な銘柄が多く、世界経済の減速懸念に特に弱い
- 円高の進行: 一時1ドル145円台まで大幅に円高が進んだことも、輸出関連企業を中心に下落圧力となっています
- 懸念の連鎖: トランプ関税が世界的な消費停滞とインフレ加速を招くという懸念が、投資家心理を急速に悪化させています
トランプ大統領の驚きの反応
市場が大混乱に陥る中、トランプ大統領は予想外の反応を見せました。
株価の急落について「時には『薬』が必要だ」と発言し、関税政策を撤回する意思がないことを明確にしたのです。
「短期的な株価の下落は、健全な経済回復のために必要なプロセスだ」という大統領の考えは、市場にさらなる不安を与えています。
専門家が警告する「さらなる下落」の可能性
市場関係者からは「株価が底入れする兆しが見えない」という厳しい見方が広がっています。
特に懸念されているのは、中国だけでなく他の国や地域もトランプ政権の関税に対して対抗措置を検討する動きが出ていることです。
そのような状況下で投資家のリスク回避姿勢が強まれば、日経平均株価は3万円を割り込む可能性もあると警告する声も。
個人投資家はどう対応すべきか
このような急激な株価下落に直面して、個人投資家はどのように対応すべきでしょうか?
- パニック売りを避ける: 暴落時の感情的な売却は避け、冷静な判断を心がける
- 分散投資の重要性: 一つの資産クラスに集中せず、リスクを分散させる
- 長期的視点の維持: 短期的な変動に一喜一憂せず、長期投資の姿勢を保つ
- 逆張り投資の検討: 暴落局面は優良企業への投資チャンスでもあると捉える
今後の見通しと注目ポイント
専門家の間では、当面の日経平均株価の下値メドは3万1000円から3万3000円程度との見方が多いようです。
今後特に注目すべきポイントとしては:
- 米中貿易摩擦のさらなる悪化の有無
- 他国の報復関税の動向
- 日本政府の経済対策
- 企業業績への実際の影響度
これらの要素が、今後の株価動向を左右する重要な要素となるでしょう。
歴史が教える「危機からの回復」
過去の大暴落事例を見ると、1987年のブラックマンデーや2008年のリーマンショック、そして直近では2024年8月の「令和のブラックマンデー」など、市場は度々大きな調整を経験してきました。
しかし、長期的に見れば、そのような危機からも必ず回復してきた歴史があります。今回の「トランプショック」も、いずれは乗り越えられる一時的な調整局面になる可能性は十分にあります。
今は不安な時期ですが、冷静な判断と長期的視点を持って、この市場の荒波を乗り切ることが重要です。